(2024.6.9更新)
「TECROWDに投資して大丈夫?」
「本当に儲かるの?」
と疑問に思っていませんか?
そこで、今回は現役サラリーマン投資家の経験を元にTECROWDについて解説をしました。
業者が書かない視点で忖度なく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください!
ガチで解説しています
本ページの内容は、個人の見解であって投資結果を保証するものではありません。
投資にあたっては自己責任で判断するようお願いいたします。
TECROWDの概要
最初に、TECROWDのサービス概要はこちらです。
サービス名 | TECROWD |
---|---|
運営会社 | TECRA株式会社 |
上場市場 | 非上場 |
募集ファンド数 | 63ファンド |
募集額 | 累計215億円 2024年平均7.3億円 |
利回り | 平均8.4% |
運用期間(平均) | 22ヶ月 |
劣後比率(平均) | 12.5% |
抽選倍率(平均) | (全て先着式) |
振込手数料 | 入金時:投資家負担(楽天銀行は無料) 出金時:投資家負担(楽天銀行は無料) |
【結論】TECROWDはカントリーリスクにリターンが見合わない
TECROWD総合評価
- 事業者の信頼性:★★☆☆☆
- ファンドの収益性:★★★★☆
- ファンドの安全性:★★☆☆☆
- 投資のしやすさ:★★★★★
TECROWDは海外不動産を対象としたサービスです。
日本を対象としたファンドもあるにはありますが、これまでの約7割が海外不動産を対象としています。
事業者の運営自体は至極まっとうで誠意ある運営だと思います。
が、直近は景気もよく好調ですが財務状況が安心できるほど良くはないと思います。
何よりも、モンゴルやカザフスタンを対象としているため、通常のファンドよりもカントリーリスクが高いにも関わらず利回りが8~10%と爆発的に良いわけでもありません。
現在の日本不動産の市況や、他の不動産クラファンサービスの利回りに鑑みると、平均15%程度はないと投資家がカントリーリスクを引き受けてまで投資する価値はないのではないかと思います。
運用期間が2年や3年と長いのもリスクが高い
それでは、具体的に解説していきます。
事業者の信頼性:★★☆☆☆
運営は不動産クラファン専業の非上場企業
運営会社は「TECRA株式会社」です。
2001年設立で、当初は国内不動産取引業を営んでいました。
その後、海外開発事業へと業務拡張していましたが、2024年4月には不動産クラウドファンディング事業以外の他の業務を終了しています。
そのため、現在は不動産クラウドファンディング事業の専業事業者として営業しています。
「TECROWD」は、2021年4月より運営開始しています。
経営状況は直近だけは好調
TECRA株式会社の決算公告は次の通りです。
おそらくコロナによるパンデミックで、だいぶ経営に苦しんでいたことが窺えます。
2021年4月に不動産クラウドファンディング一本に絞った甲斐があってか、直近の決算期だけは売上・利益ともに好調です。
投資家からの出資預り金により固定負債が直近でかなり増加しておりますが、自己資本比率は少し心許ない数値となっています。
決算期 | 売上高 (百万円) | 当期純利益 (百万円) | 純資産 (百万円) | 自己資本 比率 |
---|---|---|---|---|
2018年10月期 | 1,550 | 7 | 65 | 6.4% |
2019年10月期 | 2,667 | 115 | 189 | 7.8% |
2020年10月期 | 1,592 | 2 | 266 | 14.2% |
2021年10月期 | 1,616 | △91 | 194 | 6.6% |
2022年10月期 | 1,765 | 50 | 356 | 5.5% |
2023年10月期 | 4,836 | 543 | 1,010 | 8.4% |
ファンド運営の実績に問題なし
ファンド開始して約3年で、63件のファンドを組成しています。
その内、6割ぐらいは無事に運用を終了しており、これまでのところのファンド運営に問題はありません。
月1~2件のペースでコンスタントにファンドを組成しています。
以上から、ファンド運営の実績に問題はありません。
事業者の信頼性は若干懸念がある
2024年6月現在、運用中・運用開始前のファンドは24件あります。
それらの劣後出資額(TECRA社の出資分)を合計すると、約26億円となります。
一方で、2023年決算期の純資産が10億円です。
不動産運用がうまく行っている間は問題ありませんが、少しリスクが高いように思います。
まとめると、TECROWDを運営する会社は、
- 現在では不動産クラウドファンディングが専業の会社
- 経営状況は、過去は不調にあえいでいたようだが直近の決算期は好調
- 約3年のファンド運営の実績に問題なし
- ファンド運用に対して財務状況は若干リスクがある
ことから、事業者としての信頼性は少し懸念があると思います。
ファンドの収益性:★★★★☆
利回りは高め
利回りは、8.0%~11%の間で平均が8.4%と高めです。
めちゃくちゃ高いと言うほどではない
ファンドの安全性:★★☆☆☆
劣後比率は投資家に良心的
劣後比率は、日本不動産の場合はリスクが低いため5%ですが、海外不動産の場合10~30%とリスクに合わせた投資家に良心的なファンド設計となっています。
投資家リスクを下げる意思を感じます
TECROWDは海外不動産がメイン
TECROWDの特徴は何と言っても、海外不動産を運用対象としている、ということでしょう。
これまで組成されたファンドを国別に分類すると次のようになっています。
約7割が海外不動産を対象としたファンドです。
最も多いのがモンゴル、次いで多いのがカザフスタンとなっています。
2024年以降は、アメリカやスリランカのファンド運用も開始しています。
海外不動産は、他のサービスとの大きな差別化要素であることは間違いありません。
また、TECRA株式会社は、海外の不動産運用を約10年前から始めた会社であり、日は浅いですがおそらくしっかりと目利きをしているのだと思います。
投資家への情報開示の姿勢からも、運用リスクを十分にコントロールできると判断してファンドを組成しているのであろうことが伝わってきます。
ただ、投資家としては、やはり日本とは異なるが故のカントリーリスクがあるということを忘れてはならないでしょう。
誰にも予想もつかない地政学上のリスクが顕在化しやすい現代だからこそ、尚更です。
海外の戦争や政治経済は予測が難しい・・・
運用方針はインカム・キャピタル両方ある
海外不動産を対象としてはいますが、TECROWDでは、
- 賃料収入を配当原資としたインカム型
- 売却益を配当原資としたキャピタル型
の両方のファンドを運営しています。
ファンドごとに、どのような運用方針でリターンを生み出す予定なのかを丁寧に説明してくれています。
カントリーリスクは無視できない
まとめると、TECROWDは、
- 劣後比率はリスクに見合ったファンド設計
- だが、海外不動産が故のカントリーリスクがある
ことから、やはり日本国内不動産と比較するとカントリーリスクは無視できないため、安全性は低いと思います。
円建てのため為替リスクは気にしなくてよさそう
投資のしやすさ:★★★★★
募集形式は全て先着式
これまで、全てのファンドが先着式での募集となっています。
募集額が大規模なため、すぐには埋まらない
サービス開始当初は1億円以下の募集規模でファンドを運営していましたが、2022~2023年ごろから軌道に乗ってきたのか、徐々に募集額が大きくなっています。
特に、2024年の募集額は平均7億円とかなり大規模プロジェクトが多くなっており、募集開始後にすぐに満額に達するということはありません。
ちなみに、最大募集額はアメリカ・テキサス州にデータセンターを5棟建設するプロジェクトで、約24億円の募集でした。
24億円を集めたのはすごいですね
投資しやすい
まとめると、TECROWDは、
- 募集額がかなり大規模
- 全て先着式だが、すぐには埋まらない
ため、投資しやすいサービスだと思います。
私のTECROWD投資実績
1件だけ投資中です。
ファンド名 | 投資額 | 運用 ステータス |
---|---|---|
TECROWD44号ファンド KHAN VILLA phase2 | 10万円 | 運用中 |
初期に試しで申し込みましたが、今は投資しません
最後に
今回はTECROWDについて、業者が書かない現役サラリーマン投資家の視点で解説しました。
私としては、カントリーリスクにリターンが見合わないため投資すべきでない、と考えていますが、いかがだったでしょうか。
「TECROWDに投資してみようかな?」
と思った人は、損はないのでとりあえず投資家登録だけでもしてみてはいかがでしょうか。
他にも不動産クラウドファンディング事業者の解説をしています。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました